安土城天主が焼失した原因には諸説あるが、宣教師ルイス・フロイスの記録通り、信雄が原因だと考えられる。但し、放火ではなく“失火”である。
復元した1階平面に着目すると、北東部分に「御膳」を拵える為の部屋が在る。本来、ここでは「台所」で調理した物を持ち込み配膳するのみの用途であったが、何を血迷ったのか、ここで火を起こしてしまった。それが何かに引火し、天主に燃え広がったと考えられる。この事は、平成の「発掘調査報告書12」にもある、「天主は北から北東に向けて倒壊した」との見解に一致する。
もし、倒壊したのが早い段階なら、南面は火災を免れている可能性が有る。今後の調査に期待したい。焼失してしまったのは残念だが、どのみち、後の地震で倒壊していただろうけど。